ワックスとは、一般に「常温で固体、加熱すると液体となる有機物」と定義されています。動物、植物、そして石油などの鉱物から採取される天然ワックスは、その多くが防水・防湿性や電気絶縁性、蓄熱性などの優れた性質を有していますが、特筆すべきなのは、環境にも人体にも無害で安全だということ。土に埋めれば微生物によって分解され、食品添加物としても使用されています。日本精蝋の主力製品である石油由来のパラフィンワックスもその例外ではなく、不純物をほとんど含まない純度の高いもので、幅広い分野に使用されている貴重な天然資源です。
【主なワックスの種類】
| 天然ワックス | 動物ワックス | 蜜蝋、鯨蝋など |
|---|---|---|
| 植物ワックス | 木蝋、米糠蝋など | |
| 鉱物ワックス | モンタンワックス、オゾケライトなど | |
| 石油ワックス | パラフィンワックス※、マイクロクリスタリンワックス※など |
| 合成ワックス | フィッシャー・トロプシュワックス※、ポリエチレンワックスなど |
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| 配合・変性ワックス | 配合ワックス※、酸化ワックス※など |
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※日本精蝋の主要製品
【パラフィンワックスができるまで】
ワックスは日本語でロウ。すぐに連想されるのがロウソクですが、この名は原料であるミツバチの巣から採取される蜜蝋から来たもの。ロウソクが誕生した古代エジプト時代から近代まで、原料には蜜蝋が使用されており、石油ワックスが用いられるようになったのは19世紀後半のことです。現在は日本でも宗教用や灯明用ロウソク、装飾用キャンドルなど、その多くが石油ワックスから生まれたものです。ロウソク用ワックスは、熱による変形や垂れ落ちをおさえたもので、炎を安定させるなど、微妙な性能バランスが求められるため、工夫しながらその組成を調整しています。
ワックスの利用法でロウソク以外によく知られているのは、床のツヤ出し用やカーワックス、スキーワックスなどですが、その他にもワックスは暮らしの中のごく身近な生活用品に使われられています。防水性を活かした紙容器などの紙加工品をはじめ、タイヤ、ホットメルト接着剤、羊毛糸や合成糸などの繊維、電気産業、建材、化粧品や医薬品などにもワックスの特性を活かして用いられ、それぞれの機能や品質の向上に役立っています。
