11.金属工業

 この分野でのワックスの利用はA)精密鋳造におけるロストワックス、B)粉末冶金のバインダー等です。

A)精密鋳造について
 ロストワックスによる精密鋳造は次の通りです。
(1)まず金型を作り、次いでこの金型を使用してワックス状物(ロストワックスと言います)を射出成型し、実物大の模型を必要な数だけ作る。
(2)このようにして出来たワックス模型をワックスで作った木の枝先にツリー状に接着し、このツリーをコロイダルシリカを主成分としたスラリー(シェルコートと呼ぶ)と砂を交互に4〜6回コーテングする。
(3)室温である程度乾燥させた後スチームでロストワックスを加熱溶融させて取り出す。
(4)その後1000℃程度で焼成する。
(5)これでシリカ主体の鋳型が出来上がるが、この鋳型に溶融した金属を流し込んで鋳造する
この製造方法で、精密部品、たとえばターボーチャージャーのタービンやジェットエンジンタービンの羽等が作られます。また身近なものとしてゴルフのアイアンヘッドもこの製法で作られます。

 この製法の詳細はロストワックスの大手メーカー信和産業のホームページを参照下さい。

B)粉末冶金について
 粉末冶金は主に超硬合金製品(バイト・ドリル等)を作るプレス成形法と、複雑な形状の部品類を射出成形で作る方法に大別されます。いずれの方法でも焼成前(グリーン体)に形状を保持するためバインダーが必要ですが、前者は石油ワックス主体のものが数%程度使われています。
 後者は石油ワックスと熱可塑物質からなるバインダーをフロー性(流れ性)を持たせる為より多く添加します。
何れの方法でもバインダーは焼成時ガス化して(金属の酸化を防ぐため真空若しくは窒素気流中下で焼成されるため燃焼はしない)飛散させますので、完全にガス化することが重要です。その他焼成までの間、型をしっかり保持する粘結力が必要です。後者の方法はファインセラミックの成形にも利用されています。


こんなところにも