マイクロクリスタリンワックス

常温で固体のワックスです。炭素数分布は約30~60、分子量は約500~800で、一般にパラフィンワックスより融点が高くなります。
日本工業規格によれば、マイクロクリスタリンワックスは原油の減圧蒸留の残渣又は重質留出油より分離精製した常温において固形のワックスと定義され、融点などによって細分化されています。組成は主鎖に側鎖を持つ炭化水素(イソパラフィン)を主成分とし、これに少量の直鎖炭化水素(ノルマルパラフィン)と環状炭化水素(ナフテン)を含んでいます。マイクロクリスタリンワックスは粘り気が強く、延伸性を持ち、低い温度で脆弱にならず、緻密、微細な細晶で、融点が高く、粘着性、特に加熱粘着性が優れ、他のワックスに混合すると結晶の成長を抑制する特徴もあります。
マイクロクリスタリンワックス

※マイクロクリスタリンワックスの結晶の微細性は二次的な要因にもとづくものであるとの文献もあり、その語源についても日本ワックス工業会で議論されています。

利用分野

マイクロクリスタリンワックスは、耐湿性、耐水性、耐熱性、可撓性などに優れた特徴を有する事から、嘗て軍需物資の防湿材として多量に使用されたのを契機に、紙製品の防水・防湿用、積層紙用、包装厚紙用、耐油脂用、ゴム配合剤、電気絶縁材、印刷インキ配合剤、クレヨン原料、艶出し用、医薬関係品、塗剤、ワックス配合剤、放射線減速材、ろうそく原料、歯科医療品原料、接着剤原料など、用途が拡大しました。また、液体油と混合すると液体油が分離して発汗するのを防ぐ特徴もあり、クリームや口紅など、広く化粧品の油相原料としても利用されています。

マイクロクリスタリンワックスの性状について

融点

マイクロクリスタリンワックスの融点試験法は、JIS K 2235 5.3.2で規定されてます。パラフィンワックスより結晶性が低いので温度降下が一定範囲になりにくいため、別の方法が用いられます。温度計の先端に付着した試料を既定の温度で加熱した際、試料が落下した時の温度を融点としています。なお、イソパラフィンの構造によって融点が異なる為、炭素数から融点を推定する事は困難です。一般に、同一炭素数でも側鎖の位置が分子中央へ近づくにつれ融点は低下すると言われています。

針入度

概してパラフィンワックスより柔らかく、針入度は大きいです。理由は、イソパラフィンの結晶性が低い為と考えられます。直鎖状炭化水素が主成分であるパラフィンワックスは立体障害が小さく、分子間力によって規則正しく分子が配列し、結晶性が高く、硬いワックスになります。パラフィンワックスの炭素数分布を狭くすることでさらに硬度を増す事からも、結晶性と硬さが密接に関わっていると考えらます。

粘度

概してパラフィンワックスより溶解時の粘度は高いです。イソパラフィンは混合物で構造を特定する事は困難ですが、その立体障害によって粘度を高めていると考えています。一般には、ワックスは融点が高いワックス程溶解時の粘度も高いですが、マイクロクリスタリンワックスでは、低融点でも粘度が高いワックスもある、興味深い素材です。パラフィンワックスにはない特性が様々な用途で活かされています。

当社製品のご紹介

※こちらでご紹介している製品は、数ある当社の製品シリーズの一部となります。
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▼代表性状
品名 融点 油分 針入度 色相 主な用途 製品形状
゚F 質量% 25℃ 35℃ ASTM色 顆粒
Hi-Mic - 2095 101 214 0.2 8 12 L0.5 電気絶縁・艶出・造型・離型・ホットメルト接着剤・ローソク・ゴム・パラフィンワックスの改質  
Hi-Mic - 1090 88 191 0.1 6 10 L0.5    
Hi-Mic - 1080 84 183 0.2 12 18 L0.5
Hi-Mic - 1070 80 176 0.3 20 - 1.0    
Hi-Mic - 2065 75 166 0.2 10 15 L0.5    
Hi-Mic - 1045 72 162 0.5 37 - 1.5 ラミネート・パラフィンワックスの
低温特性改質
   
Hi-Mic - 2045 64 148 0.4 23 - 1.0    

上記以外にも食品添加物専用グレードがございます。

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(主な用途)
電気絶縁、艶出、造型、離型、ホットメルト接着剤、ゴム・パラフィンの改質

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