FTワックス

フィッシャートロプシュワックスは、石炭や天然ガスより液体燃料などを製造する際に副生するワックスで、以下のように一酸化炭素と水素から合成されます。
(2n+1)H2 + nCO → CnH2n+2 + nH2O

金属触媒は、実用的には鉄系とコバルト系が知られています。鉄系はCOシフト反応に活性があり、コバルト系はこの活性がないので、一般的にはH2/CO比の小さい石炭系合成ガスの場合は鉄系触媒が用いられ、H2/CO比の大きい天然ガス系合成ガスの場合は、コバルト系触媒が用いられます。コバルト系触媒は、鉄系触媒に比べて水素活性が高く、寿命が長く、生成物はパラフィン分に富んでいる事が多いです。
FTワックス

~当社FTワックス~

当社は、FTワックスを独自の特殊技術で分離、精製したワックスを有しています。当該ワックスは、飽和直鎖炭化水素に富んでおり、不純物の非常に少ないワックスです。石油ワックスにはない、高融点領域のワックスが製造できる事も、その特徴の一つです。なお、高融点の炭化水素型ワックスとしては、ポリエチレンワックスも広く知られています。エチレンの重合、ポリエチレンの熱分解、及び高密度ポリエチレン製造時の副生、によって取得されます。エチレンの重合法は、ラジカル触媒による高温高圧下での反応、チーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒を用いた低圧下での反応が知られています。前者は分岐の多い構造であるのに対して、後者は分岐の少ない構造です。いずれの場合においても、ポリエチレンワックスは偶数の炭化水素となります。

利用分野

FTワックスは、飽和直鎖炭化水素に富んでいるので、炭素数分布を狭く、油分の含有率を低く、融点を高くして、硬くする事が出来ます。炭素数分布を狭くすることで感温性にも優れます。また、立体障害が小さく溶融時の粘度が非常に低い事も特徴です。これらの特徴を活かして、加工紙用、ホットメルト接着剤用、ポリッシュ用、インク用、滑剤用、アスファルト用、ゴム用、油剤用、艶出し用などで使用されています。

当社製品のご紹介

※こちらでご紹介している製品は、数ある当社の製品シリーズの一部となります。
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▼代表性状
品名 融点 油分 針入度 色相 特徴 製品形状
゚F 質量% 25℃ 35℃ セーボルト色 顆粒 微粉
FT 115 113 236 - 1 1 - 高融点、
高硬度ワックス
   
FNP - 0115 FT 115の
微粉末化品
       
SX105 凝結点
102
216 0.1 1 1 +30 汎用合成
ワックス
       
FNP - 0090 凝結点
90
194 - 3 - - 感温性に
優れる
     
FT - 0165 73 164 0.1 5 9 +30 感温性に
優れる
       
FT - 0070 72 162 0.6 11 14 +30 汎用合成
ワックス
*1      


上記以外にも様々な合成ワックスがございます。

(*1) 受注生産となります。

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